【一般無料】手先の器用さの退化(健康基礎講座)


・今、子どもの手が危ない!?
・日常の動作ができない子ども達・・・
・○○な運動と○○な運動の組み合わせが脳を発達させる。

便利なものが増えた現代では、ボタンを押すだけで部屋の明かりがつき、
テレビをつける、電話をかける、ご飯を炊く、車が走ることが可能になりました。

しかし、手先を繊細に使ったり、体を動かすことは少なくなりました。

子どものうちからこれらの運動することが大切で、
成長する時期に運動を怠ると、子どもの能力に差が出てしまいます。

箸をちゃんと持てない、鉛筆を削れない、雑巾がしぼれない等、
日常生活で普通に行う動作ができない子どもが増えています。

大人も子どもも便利なものに慣れてしまい、手先の器用さを失っているのが現状です。

1980年前後から「子どもが危ない」という声がマスコミで取り上げられるようになりました。
そして、子どもの運動能力の実態に危機感が持たれたのです。

昭和10年代までは、2歳半頃には大人のように箸を使えるようになっていました。
しかし、最近では4~5歳を過ぎても箸を使えない子どもが増えています。

最近の調査によると、高校卒業の時点で箸を正しく持てる人は半分程しかいない。
正しく使える人は4割だけ、とも言われています。

脳の発達のためには、身体感覚と身体運動が発達する時期に、「手と手」「手と足」を一緒に動かし、
1つの動作にまとめる「協調運動」の経験が重要です。

人間の脳の働きは、幼い頃からの運動経験を通して形成されます。
運動能力や身体感覚が発達する時期に、できるだけ多くの協調運動をすることが重要です。

何十年か前までは、折り紙やあや取り、ビー玉遊びなどで、手先を使う遊びをしていました。
また、屋外で遊ぶときは鬼ごっこやけんけん、ゴムとびなどで全身を思いっきり動かしていました。

これらの遊びは、脳の働きを促進させる点においても、非常に好ましい遊びです。

しかし、現代の子どもの遊びは、手先を使った細かい動きや全身を動かす運動をすることはほとんど無く、
スマホの長時間使用、ゲームなどに時間を割いている場合が多いですね。

ゲームは、ボタンを押すか押し続けるといった単調な動作が多く、あまり指先を細かく動かしません。

この事は、脳の働きや発達に悪影響を与え、不器用な子どもが増えてしまった一因でもあります。

この事は、大人に責任があります。
大人が手先を上手く使えるお手本にならないと、子どもがその能力を伸ばせません。

子どもは親の行動を観察して真似をして、新しい行動を身につけていきます。

スポンジのように吸収するので、何氣なく見た大人の行動でさえ真似をするようになります。

大人が間違った行動をすれば、それも吸収して真似てしまいます。
そして重要なのは、後で大人のいない場所でも同じような行動を取ることです。

親が「こうしなさい」と直接教えること以外にも、
子どもによる自発的または無意識的に親の行動や態度から学ぶこともたくさんあります。

「子は親の背中を見て育つ」という言葉のように、
は親の考え方や価値観、手さばきまで、親が教えようと意識しなかったことまでも、
子どもはいつの間にか真似をして育っていきます。

家族や子どもと関わる大人の行動が、良くも悪くも子どもに大きな影響を与えているのです。

しかし、これは家庭内の問題にとどまりません。
不器用な子どもが増えたことは、もっと広範囲の社会的な問題だと思います。

伝統文化や技術の担い手が年々減っていますが、手先の不器用さと無関係ではないでしょう。
手先の器用さがなければ、精密な伝統工芸を作ることはできません。

不器用というのは、個人レベルの問題だけでなく、国力の問題に繋がります。

戦後、日本が復興し発展を遂げたのは、手先の器用さがあった事とも関係があります。
当時活躍した世代は、幼い頃にけん玉、鬼ごっこ、折り紙、あや取りなどで遊んでいました。

工業化された点では弊害がありますが、
基礎体力が高く手先も器用に使う能力が高かったからこそ、
何もないところから飛躍的に発展するパワーを発揮できたのでしょう。

幼いお子様が身近にいる方は、手先をよく動かす遊びをさせてあげてください。
脳の発達を促すので情緒が安定し、すくすくと育っていきますよ。

勉強やスポーツ、習い事などをする際にも、それまでに培ったベースの部分が必ず生きてきます。

将来子ども達がどのように社会に貢献していくのか、想像するだけでもわくわくしますね。

山本 和佳